バイク(二輪)免許には実に多くの種類があり、免許の区分はその排気量によって普通二輪免許(中型二輪免許、中免)、大型二輪免許、小型限定普通二輪免許、原付免許の4つに分けられます。また、原付以外にはAT限定免許とMT免許があり、これも含めると全部で7種類になります。この記事では、各区分でのバイク(二輪)免許の取得方法と、乗ることができるバイクについて解説いたします。
原付免許は『原チャリ』や『スクーター』などと呼ばれる、排気量50㏄以下のバイク(原動機付自転車)に乗れる免許です。
原付免許を取得するハードルはとても低く、1日で取得することが可能です。また、普通自動車免許に付帯されているため、普通自動車免許を持っていれば原動機付自転車を運転することができます。このような手軽さが原付免許の最大の特徴ですが、その分、原動機付自転車には、以下のような運転の際に守らなければならない独自のルールが存在します。
・時速30km以上のスピードを出してはならない。
・二人乗りができない。
・高速道路や自動車専用道路は走行してはならない。
・道路によっては二段階右折をしないといけない。
原付免許の取得条件は以下になります。
年齢:満16歳以上
視力:両眼0.5以上
※片眼が見えない場合は、もう片方の視力が0.5以上、視野が150度以上あること
聴力:10メートルの距離で90デジベルの警音器の音が聞こえること(補聴器可)
色彩識別能力:信号機の赤、青、黄色の3色が識別できること
身体能力:原動機付自転車の運転に支障をきたす身体の障害がないこと
小型限定普通二輪免許は、排気量125㏄までの小型クラスのバイクを運転できるようになる免許です。とても短期間で取得できるのが特徴で、普通自動車免許を持っている場合だと最短3日、AT限定であれば最短2日で取得することができます。二人乗りは可能ですが、高速道路を走ることはできないので注意してください。
小型限定普通二輪免許の特徴としてAT限定免許を取得する方が多いというのが見られます。これは、AT限定にホンダ・スーパーカブC125やホンダ・スーパーカブ110などのクラッチレバーの操作がない4速ギアの人気車両が多いというのがその理由になっています。
小型自動二輪免許の取得条件は以下になります。
年齢:満16歳以上(卒業検定の時に16歳になっていれば15歳でも入校可能な場合もあり)
視力:両眼0.7以上、片眼0.3以上(眼鏡、コンタクト可)
※片眼が0.3未満の場合は、もう片方の視力が0.7以上、視野が150度以上あること
聴力:10メートルの距離で90デジベルの警音器の音が聞こえること(補聴器可)
色彩識別能力:信号機の赤、青、黄色の3色が識別できること
身体能力:普通自動二輪の運転に支障をきたす身体の障害がないこと
小型自動二輪は、普通免許を所持していると、学科教習のほとんどが免除になるために、最短3日、AT限定では最短2日での取得が可能になっています。
教習時限数は、普通免許を所持していると、技能教習10時限、学科教習1時限で、AT限定免許では、技能教習8時限、学科教習1時限のみとなっています。
所持免許がない場合では、技能教習12時限、学科教習26時限で日数では10日ほど、AT限定免許では、技能9時限、学科26時限で日数では9日ほどとなっています。
普通自動二輪免許は、排気量400㏄までの中型クラスのバイクを運転できるようになります。このクラスの車種はとても豊富なのではじめてバイク免許を取得するという人には、とても人気の免許になります。また、普通自動車免許をすでに持っている場合、教習内容の多くが重複しているので、その部分が免除され短期での取得が可能になっています。このように取得のハードルもそれほど高くないことも人気の理由です。
普通自動二輪免許から、高速道路での走行が可能になります。また、二人乗りもすることができます。ただ、高速道路で二人乗りをする場合は、満20歳以上、免許取得より3年以上経過という条件があるので注意してください。
『中免』などとも呼ばれることもありますが、正式名称は『普通自動二輪免許』です。これは、かつてあった『中型二輪免許』の名残によるもので、現在この区分は廃止されています。
普通自動二輪免許から乗れるようになる125~400ccまでのバイクは、車検が不要な125~250ccと、2年ごとに(新車購入の場合は初回のみ3年)車検が必要になる251~400㏄のふたつに大きく分けられます。
普通自動二輪免許で乗れるバイクには様々な見た目のタイプがあるというのが大きな特徴です。ホンダCB400 やヤマハSR400に代表されるネイキッドタイプ、スズキDR-Z400、カワサキKLXといったオフロードタイプ、その他にもスポーツタイプ、アメリカンタイプなどがあります。このようにバイク好きでも満足できる車種が揃っているので、大型二輪免許の前段階として、まず普通自動二輪免許を取得するという人も多く見られます。また、AT限定免許でもFORZAやSKYWAVEなどの人気のビックスクーターに乗ることができます。
普通自動二輪免許の取得条件は以下になります。
年齢:満16歳以上(卒業検定の時に16歳になっていれば15歳でも入校可能な場合もあり)
視力:両眼0.7以上、片眼0.3以上(眼鏡、コンタクト可)
※片眼が0.3未満の場合は、もう片方の視力が0.7以上、視野が150度以上あること
聴力:10メートルの距離で90デジベルの警音器の音が聞こえること(補聴器可)
色彩識別能力:信号機の赤、青、黄色の3色が識別できること
身体能力:普通自動二輪の運転に支障をきたす身体の障害がないこと
普通自動二輪免許の期間は、普通車免許を所持していると、学科教習の多くが免除になるため必要な時限数がとても少なくなります。
所持免許ありだと、MT免許は、技能教習17時限、学科教習1時限です。AT限定免許では、技能教習13時限、学科教習1時限です。
所持免許なしではMT免許で、技能教習19時限、学科教習26時限で、約12日ほどです。
AT限定免許では技能教習15時限、学科教習26時限です、約11日ほどです。
大型二輪免許は排気量の制限がなく、全てのバイクを運転することができます。かつてはAT限定では排気量650㏄の制限がありましたが、現在は撤廃されていて、AT、MTともに無制限となっています。
大型二輪免許で運転できるようになる400㏄以上のバイクには、ハーレーなどをはじめとした海外の大型バイクが代表として挙げられ、バイクを趣味として楽しむ人にとって憧れの免許といってもいいでしょう。
特にMTでは、全てのバイクに乗ることができるため、ハーレーダビッドソンFXBRSのような大型の海外ブランドアメリカンタイプのバイクやドゥカティ、BMWのオフロードタイプ、トライアンフのThruxton、ホンダCB1100のようなネイキッドタイプなどといった大きな見た目のバイクを思う存分楽しむことができるというといった魅力があります。
運転免許を何も持っていない場合でも、いきなり取得することは可能ですが、高度な運転技術を必要とする免許のため、まず普通自動二輪免許を取得してからステップアップで取得する人が多いということも覚えておくいいでしょう。
年齢:満18歳以上(卒業検定の時に18歳になっていれば17歳でも入校可能な場合もあり)
視力:両眼0.7以上、片眼0.3以上(眼鏡、コンタクト可)
※片眼が0.3未満の場合は、もう片方の視力が0.7以上、視野が150度以上あること
聴力:10メートルの距離で90デジベルの警音器の音が聞こえること(補聴器可)
色彩識別能力:信号機の赤、青、黄色の3色が識別できること
身体能力:普通自動二輪の運転に支障をきたす身体の障害がないこと
大型自動二輪免許の取得期間は、所持している免許の有無によって異なります。
免許を何も所持していない場合(原付・小特含む)では技能教習36時限、学科教習26時限となっていて、約16日となっています。もし普通自動二輪免許を所持している場合では技能教習12時限のみで学科教習は全て免除となります。この場合、日数では約6日で取得可能となります。AT限定免許は、技能29時限、学科26時限で約14日が必要な期間になります。
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