ようやく、教習所での卒験(卒業検定)が終わった!

これで免許取得までに残された最後の課題は、学科試験を突破することだけです。とは言えこの学科試験に対して不安を抱えている方もいらっしゃるでしょう。確かに〇×問題がメインとは言え、合格は90点以上と高い正答率が求められます。

そこで、この記事では、免許取得に必要な学科試験を徹底解説致します!持ち物は?どんな問題が出る?対策は?学科試験にまつわる不安を、一気に解消していきましょう!

1.運転免許取得に必須の学科試験ってどんなもの?

普通自動車や二輪などの運転免許を取得する際に受ける学科試験。交通ルールや法律、運転マナーについての知識が問われます。

教習所に通っていた方は、仮免許取得時に受けたこともあるでしょう。実際の免許取得時に受ける学科試験を仮免試験と対比して、本試験あるいは本免許学科試験と呼ぶこともあります。

本項では、主に普通自動車の本免許を取得する方に向けて、学科試験の概要を解説致します。

受験場所・資格・費用

合宿免許でも通学免許でも通う、教習所は基本的にどの地域を選んでも問題ありません。職場や学校の近く、あるいは合宿のために地方の観光地をご選択された方もいらっしゃるでしょう。

しかしながら運転免許取得のためには、ご自身が住民票を置く地域で定められた運転免許センターに出向かなくてはなりません。そして学科試験は、この運転免許センターで行われます。

受験資格は、基本的に免許取得要件と同一です。例えば普通自動車免許の取得をお考えの方は18歳以上であることが求められますし、普通二輪であれば16歳以上~となります。もっとも、教習所を通われた方は既に資格を有していると考えて差支えありません。なぜならほとんどのケースで、運転免許取得条件と教習所の入校条件は同一であるためです。 免許取得時には適性試験も同時に受けることとなるため、視力や聴力といった条件もチェックしておきましょう。

費用は取得免許にもよりますが、普通自動車免許の場合は1,750円です。また、免許交付料として2,050円も必要となってきます。

なお、どの運転免許センターも受験・免許交付日は平日のみとなります。

持ち物・予約の有無

必要な持ち物は下記の通りです。一つでも忘れると受験できない場合がありますので、必ず事前に用意しておきましょう。

  • 本籍(国籍等)が記載された住民票写し(6か月以内の発行)。コピーは不可
  • 本人確認書類(健康保険証やマイナンバーカード、パスポート、学生証等)
  • 免許申請用写真(縦3cm×横2.4cm、かつ6か月以内に撮影されたもの)
  • 卒業証明書や技能検査合格証明書(あれば)
  • 手数料(普通自動車免許の場合、計3,800円)
  • 眼鏡やコンタクトレンズ(必要な方。なお、カラー入りは不可)

免許申請用写真は当日運転免許センターで撮影することも可能です。
また、住民票の写しはマイナンバー記載のないものを用意しましょう。もし記載してあった場合、マスキングを求められる場合もあります。

ちなみに教習所卒業から一年以上が経過している場合は、卒業証明書は効力を発揮しなくなります。その場合は、再度教習所に通うか一発試験にシフトするかになります。

なお、現在新型コロナウイルスの影響で、完全予約制とする運転免許センターもあります。オンラインで容易に手続きできるので、事前に確認しておきたいですね。

試験当日のスケジュール

試験は運転免許センターによっては午前の部・午後の部が存在しますが、基本的な流れは同一です。また、受付時間はどちらでも午前中のケースがありますので注意しましょう。

運転免許取得までには「適性試験」「学科試験」「技能試験」を受ける必要がありますが、教習所の卒業生は技能試験が免除されます。

まず運転免許センターに到着したら、受付窓口で申請書に必要事項を記入し、受験料を支払います。ここで必要書類も一緒に提出しましょう。なお、身分証明書は提示のみです。

その後、適性検査を受け終了後に試験会場へ向かいます。ただし試験会場まで時間が空いた場合は、ロビー等で待機する場合もあります。学科試験対策のテキスト等を持っておくと良いですね。

試験会場では試験の説明や注意次項が担当者から解説され、学科試験開始。
試験時間は50分となります。なお、30分経過後に途中退室することも可能ですが、一切の再入室は認められません。

試験終了後に合格発表があり、合格者はそのまま免許証用の写真撮影を行います。
写真が出来上がったら、いよいよ免許交付!
所要時間はだいたい6時間程度~となります。

学科試験の出題形式と合格ライン

出題形式は全て〇×。文章問題が90問、イラスト問題が5問の合計95問出題され、90%以上の正答で合格です。仮免許の学科試験では問題数は50問であったため、多いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。

内容は都道府県で異なり、それぞれの地域に合わせた出題傾向が採られます。また、都道府県で難易度が異なる…などと言われることもあります。
しかしながら基本的な交通ルールや法律、マナーを問うということに変わりはありません。
教習所で学んだことをしっかりと復習しておくことが何よりも大切です。

気になる合格率は、やはり地域差があるものの、70~75%程度と言われています。繰り返しになりますが、教習所で教わったことを理解していることが、合格への最たる近道と言えます。

学科試験が免除されるケース

これから普通自動車免許を初めて取得する方はほとんどの場合で学科試験を受けることとなります。
しかしながら、下記の場合には免除となりますので、この機会に覚えておきましょう!

まず、普通自動車免許はもちろん、二輪免許(普通・大型)、準中型免許、中型免許、大型免許の第一種は学科試験が共通です。そのためいずれかの免許を所持していて、この中の別の免許を取得する場合は、学科試験を受ける必要はありません。すなわち中型免許・大型免許は普通自動車免許(MT)または中型免許取得が要件となっているため、学科試験は行われないこととなります。

また、いずれかの第二種免許所持者も、別の第一種免許を取得する際には学科試験が免除されます。

※これは仮免許取得時の学科試験でも同様です。上記のいずれかの第一種免許所持者は、別の免許の仮免許取得の際に学科試験を受ける必要はありません。

さらに、海外で既に自動車免許を取得しており、日本免許に切り替える場合。あるいは失効(更新忘れ)となった方が再取得する際、失効から6か月以内または失効理由がやむを得ない(病気や障がい等)と判断された場合は学科・技能試験が免除となります。

2.学科試験に落ちてしまった…!免許取得のための再試験について

万全を期して学科試験に臨むものの、落ちてしまった…そんな時の再受験について解説致します。

まず、同日に再受験することはできません。例え午後の部があっても、です。
残念ながら不合格となった場合は、また翌日以降の平日に再受験する必要があります。また、受験料も都度かかってくるので注意しましょう。
もっとも住民票は不合格時には返却してもらえるので、再取得の必要はありません。

なお、前項でも言及しているように、教習所を卒業してから一年で証明書の効力は切れてしまいます。そのため万が一その期間内に学科試験を突破できなかった場合、また教習所に通わなくてはならないなんてことも…!早め早めに対策して、しっかり受かりたいところです!

3.免許取得対策!学科試験例題20選

前述の通り、文章問題が90問、イラスト問題が5問の合計95問出題されます。
これは、運転ルールやマナー等、これから自動車免許を取得するうえで知っておかなくてはいけないことばかり!とは言えひっかけ問題のようなものも多く、迷ってしまうことも多いものです。

そこで例題を20問用意致しました!
腕試しに、あるいは学科試験の感覚をつかんで頂くためにも、ぜひチャレンジしてみて下さいね。

◆問題

① 横断歩道、自転車横断帯とその前後において、原付であれば5メートル以内の場所に駐車・停車が可能
② バスターミナル、駐車場、車庫など自動車用出入り口から5メートル以内の場所は駐車ができない
③ 路線バスが発進の合図を出した時、発進の妨げにならないと判断できれば後方車の一時停止義務はない
④ バス停留所に普通乗用車が駐車・停車することは禁止されている
⑤ 赤色の灯火の点滅記号は、停止位置で一時停止して安全確認をしなくてはならない
⑥ 工事中で左側部分の通行が十分にできない場合でも、できるだけ右側部分にはみ出さないよう通行しなくてはならない
⑦ 普通自動二輪で高速道路を通行できるのは、250cc超のエンジン総排気量を持つ車種でなくてはならない
⑧ 急こう配の坂道で追い越しをする場合は、安全確認をしたうえで行わなければならない
⑨ 踏切・横断歩道・自転車横断対とその手前から30メートル以内は追い越し禁止である
⑩ 曲がり角付近や見通しの悪い交差点では、必ず一時停止をして安全確認をしなくてはならない
⑪ 標識のない一般道路において、普通自動車の法定速度は時速60キロと定められている
⑫ 進路変更の際、合図は30メートル手前から行なう必要がある
⑬ 歩行者・自転車に対して、危険回避のためでも警音器を鳴らすことは望ましくない
⑭ 西日が眩しく方向指示器が見づらいと判断し、進路変更の際は手による合図も同時に行った
⑮ 大型二輪車の高速道路における法定最高速度は時速80キロである
⑯ 横断歩道とその手前から50メートル以内は、いかなる追い抜き・追い越しも禁止である
⑰ 事業用自動車の日常点検は、一日一回終業後に行うことが望ましい
⑱ 自家用大型自動車と自家用普通自動車の定期点検は一年ごとに必ず実施しなくてはならない
⑲ 緊急自動車が近づいてきたが、左側に寄ると通行の妨げになると判断したため、交差点内で一時停止した
⑳ 空走距離はブレーキペダルを踏んでから車が停止するまでの距離をを指す

◆答え

① ×…いかなる車両でも横断歩道、自転車横断帯とその前後において、5メートル以内の場所の駐車・停車は禁止
② ×…3メートル以内の駐車が禁止
③ 〇
④ ×…運行時間中以外であれば駐車・停車が可能
⑤ 〇
⑥ ×…工事中等左側部分の通行が十分ではない場合は、右側にはみ出し通行が可能
⑦ ×…125cc超の普通自動二輪であれば高速道路の通行が可能
⑧ ×…急こう配な坂での追い越しは禁止
⑨ 〇
⑩ ×…一時停止ではなく徐行
⑪ 〇
⑫ ×…進路変更の場合は3秒前
⑬ ×…危険回避等のやむをえない場合では警音器を用います
⑭ 〇
⑮ ×…時速100キロ
⑯ ×…横断歩道とその手前から30メートル以内
⑰ ×…運行前
⑱ ×…大型自動車は三か月ごと
⑲ ×…交差点を避け、道路の右側に寄って一時停止する
⑳ ×…空走距離はブレーキペダルを踏んでからブレーキがきき始めるまでに走行した距離のこと

4.まとめ

運転免許取得の際に受ける学科試験について解説致しました。持ち物や受験場所、また問題の傾向などをお伝えできたでしょうか。
文中でも述べているように、何よりも大切なのは教習所で習ったことをしっかり復習しておくこと。落ち着いて臨んで、憧れの免許を取得しましょう!

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