大型二輪免許を取得する前に知っておきたい条件や費用,期間

KAWASAKIのNinja,HONDAのNM4,BMWのRシリーズにハーレーダビッドソン…
とにかくかっこいい大型バイクの世界に憧れてきた方も少なくないでしょう。
大型自動二輪免許を取得すれば、排気量の制限なく好きなバイクを楽しめます。

そうは言っても大型二輪免許の取得は難しそうと思っている方もいらっしゃるでしょう。また、「原付免許しか持ってないけど、いきなり大型二輪を受けても大丈夫?」そんなお問合せもよく頂きます。

そこでこの記事では、大型二輪免許をこれから取得する方に向けて、その概要や取得の要件、かかる費用や期間についてご紹介いたします。

1.大型二輪免許とは?

大型二輪免許と言った略称が最もよく広まっていますが、正式名称は大型自動二輪車免許です。

そもそも大型自動二輪車って何?そんな風に疑問に思うこともあるでしょう。
これは、「総排気量が400ccを超えるあるいは定格出力が20KWを超える」二輪車と道路交通法に定義されています。そして、この規模の二輪を運転したいと思った時に必要となるのが大型二輪免許です。
運転免許証には「大自二」の記載がなされます。

ちなみに総排気量が400cc以下あるいは定格出力が1KW以上の二輪車は「普通二輪免許」、総排気量が125cc以下あるいは定格出力が1KW以下の二輪車は「小型限定普通二輪免許」、総排気量が50ccあるいは定格出力が0.6KW以下の二輪車は「原動機付自転車免許」の取得が求められます。
ただし、大型二輪免許を取得していれば、原則としてこれら全ての二輪に対応することが可能です。

大型二輪免許の詳細を解説いたします。

概要

前述の通り、大型二輪免許を取得することは、原則として全ての二輪の運転が可能であることを意味します。

「二輪免許」がわが国で新設されたのは、1947年です。
しかしながら1975年から1996年の間、指定自動車教習所では大型二輪の免許を取得することはできなかったことをご存知でしょうか。これは昭和50年に入り、大型二輪による事故や迷惑行為が社会問題化していたことに拠るものです。
大型二輪の運転が許されるのは、「一発試験」、つまり教習を受けずに運転免許センターで技能試験に合格した者のみ。なお、この当時、自動二輪免許(中型限定自動二輪免許)から大型二輪免許を取得することを限定解除審査と呼び、現在普通自動車免許等でAT限定からMT車の運転を可能にした「限定解除」という用語を生み出すこととなりました。
しかしながら海外自動車メーカーから批判を浴びたことなどを背景に、徐々にこの制限は緩和されていきます。
そして1996年より「大型自動二輪」が免許として設けられました。ちなみにこの免許改正によって、従来は免許条件違反として軽度の罰金で済まされていた「普通二輪車免許での大型二輪運転」が、無免許運転として扱われるようになりました。また、普通二輪免許からの限定解除もなく、大型二輪の免許取得が求められます。

こういった経緯を持つ大型二輪免許ですが、「原則として全ての二輪の運転が可能」と前述しましたが、この「原則として」と付け加える理由は、2005年に制定された「AT(オートマチック)限定免許」があるためです。
普通自動車免許と同様に、大型二輪免許にもまたAT限定・MTの二種類があります。

AT限定もMT車も、総排気量の決まりは現在ではありません。かつては、AT限定は総排気量が650cc以下の二輪と定められていたのですが、2019年からその制限は取り払われました。
そのため現在では、クラッチとギアチェンジ操作の有無による違いが主となります。

もっとも、せっかく大型二輪免許を取るのだから、断然お勧めなのがMTです。また、実際に大型二輪に挑戦する方の多くが制限のないMTの方を選びます。

大型二輪免許でできること

大型二輪免許を取得していれば、排気量を問わず様々なオートバイに乗ることが可能です。当然原付,小型二輪,普通二輪にも対応できます。

なお、この中で高速道路を走れるのは総排気量が125ccを超える二輪のみ。つまり普通二輪か大型二輪に許されているということです。これらは「自動車」として扱われるためです。高速道路以外でも、自動車専用車両の走行が可能になります。

また、排気量50ccを超え、かつ「タンデムステップ」「タンデムシート」を備えた二輪であれば二人乗りが可能となるのですが(免許取得後一年以上経過した方に限る)、実は条件付きで高速道路走行も二人乗りで許可されるようになりました。
年齢が満20歳以上で、かつ自動二輪免許取得から三年以上が経過していれば、法的には問題ありません。

総排気量の多い大型二輪であれば長距離運転にも向いているので、恋人や配偶者を乗せて旅行を兼ねたツーリングに連れて行けば、いつもと違ったデートを楽しめることでしょう。
ただし、首都高速道路の一部区間では二人乗りが禁止されているので、その点はご留意ください。

そして、大型二輪以外にも運転可能となる車種があります。
その代表例が小型特殊自動車。フォークリフトや除雪車,農業用小型コンバインや小型トラクターがこれに当てはまります。

いきなり大型二輪を取って大丈夫?まずは普通二輪からにするべき?

よくお問合せを頂くのが、「まずは普通二輪を取得してから大型に挑戦するべき?」というものです。
免許交付時に18歳以上の方であれば、いきなり大型二輪免許を受けることに法的な問題はありません。これは普通二輪免許に限らず、普通自動車免許の有無にも言えることです。

ただし、いくつかご留意頂きたいことがあります。
まず、免許を所持していない、あるいは原付免許の所持のみの方であれば、指定自動車教習所の卒業までにそれなりの時間は要するということです。
詳細は後述しますが、免許取得までに教習所に通い、規定の教習を履修する方がほとんどでしょう。この場合、長い方だと1か月以上の期間を要するケースもあります。
反対に普通二輪免許を所有していれば学科教習が免除されることもあり、圧倒的に早く、最短で1週間もかからずに取得が可能となります。

また、大型二輪の重量は200kgを超えることもしばしばです。
いきなりこの重さの車体を支え、乗り回しすることは、鍛えている男性でもなかなか難しいところ。そのため教習所の中には、まずは普通二輪免許の取得を勧めるところもあるようです。

また、乗り回し以上に大切なのが、安全への概念です。
かつて大型二輪が「限定解除審査」のみでしか取得できなかった時代、痛ましい事故が多発していました。今なお大型二輪による事故は後を絶ちません。
もちろん全ての自動車に言えることですが、安全第一を心掛けるマインドが何よりも求められると言っていいでしょう。

2.大型二輪免許の取得要件

次に、大型二輪免許を取得するうえで求められる要件をご紹介いたします。

年齢

普通二輪免許や原付免許は満16歳以上からの取得が可能ですが、大型二輪免許は満18歳以上からとなります。
なお、まだ18歳になっていなかったとしても、指定自動車教習所の卒業検定時または免許交付時に18歳に達していれば問題ありません。
もっとも、教習所によっては「18歳の誕生日の1週間前から入校可」などと条件を設けているところも多いです。また、通っている高校によっては二輪免許に対して何らかの制限を設けている場合があります。
まだ18歳に達していない、または高校在学中の方は、一度教習所及び学則を確認しておきましょう。

身体的要件

大型二輪免許の取得には、両眼で0.7以上、かつ片眼でそれぞれ0.3以上の視力を有することが求められます。なお、カラーコンタクトや度付きサングラスを除く眼鏡・コンタクトレンズの使用が可能です。
片眼視力が0.3未満または見えない場合、もう一方の片眼の視野が左右150度以上かつ視力0.7以上であることが必要です。
加えて赤・青・黄色の三色の識別が必須です。

聴力については、10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえることを求められます。こちらも補聴器の使用が認められています。

また、自動車の運転に支障をきたすような四肢または体幹の障害がないことが求められます。

これら身体的要件に何らかの不安を抱えている方は、事前に教習所または当サイトのコールセンターまでお問合せ下さいませ。

その他

学科試験は日本語であるため、一般的な日本語能力(読み,書き)は必須となります。

また、大型二輪はその特性上、四肢を使って重量のある車体を支えなくてはならないことは前述の通りです。
そのため教習所によっては身長制限を設けている場合があります。
もちろん車種によってはシート高が低いものもあります。また、車体の取り回しを工夫することで、身長問わず大型二輪を皆さんがお楽しみになっています。
ただし、ご不安な方は、事前に確認を取るようにしましょう。

3.大型二輪免許取得のために必要な費用・最短日数

それでは大型二輪免許取得のために必要な費用・最短日数についてご紹介いたします。

「カリキュラム」「費用」「期間」を、以下のタイプごとに分けて解説いたします。ご自身の状況によって、「どれくらいかかるかな?」の目安になれば幸いです。

タイプA:免許なしまたは小型特殊免許・原付免許所有

タイプAの場合は、技能・学科教習ともにそれ相応の時間がかかってきます。もっとも、安全のためにしっかり履修することが求められます。

まず技能教習では、第一段階で16時限、第二段階で20時限の計36時限が必要です。学科教習では第一段階で10時限、第二段階で16時限の計26時限です。
普通免許等でも履修する科目を押さえるために、やはり時間はかかってしまうもの。
また、第二段階を終えて仮免許が交付されると、いよいよ公道に出ての教習となります。大型二輪の取り回しはもちろん、課題走行で適切な運転ができているかどうかも確認されます。

費用は教習所への通学の場合で24万円前後~。日数はどのようにスケジューリングするかによりますが、18日~長い方だと40日ほどかかってしまう場合もあります。また、学科教習は一日のうち予約が取れるだけ受講することが可能ですが、技能教習は一日2・3時限までです。会社やアルバイトと並行して通っていこうとなると、思いのほか時間がかかってしまう可能性は考慮しておきましょう。
合宿の場合の費用は、閑散期か繁忙期かによっても異なりますが、だいたい21万円前後~です。日数は最短で15泊16日。もちろん仮免許の技能終了検定や卒業検定の状況によってはさらに時間がかかるケースもあります。
また、この期間は教習所の施設で寝泊まりすることとなります。

タイプB:普通二輪免許(MT)所有

普通二輪免許(MT)を既にご所有されている方は、最もカリキュラムが少なく済み、また費用や取得日数も最低限で済みます。なぜなら学科試験は免除されるため。技能試験のみ12時限を履修することが求められますが、既に二輪車を乗りこなしている方であれば、ある程度の乗り回しや感覚が経験で身についているためです。

費用は通学の場合で9万円前後~。日数はやはりどのようなライフスタイルかにもよりますが、学科がない分、社会人であってもかなり気楽にスケジューリングしやすいでしょう。

合宿の場合も、費用は9万円台~。通学・合宿ともに10万円前後に抑えることが可能と思って良いでしょう。
取得までの最短日数は5箔6日です。
ちなみに通学の場合は教習に予約が必要です。そのため「週末に集中して予約して、一か月以内の取得を目指そう!」と思っても、空き状況によってはなかなか叶わないことも。
そのため1週間の休みをとって、合宿で一気にとる!といった方も少なくありません。

※普通二輪のAT限定免許を所持されている方は、同様に学科教習が免除されますが、技能教習は大地段階で9時限、第二段階で11時限の計20時限が必要となります。

タイプC:普通免許所有

二輪ではなく自動車免許を保有している方も、全てではありませんが学科の多くが免除されます。これは大型自動車免許や中型自動車免許を所有される方も同様です。

まず、技能教習は第一段階で1時限、第二段階で17時限の履修が必要となります。免許なしに次ぐ多さですね。しかしながら学科教習については第一段階が免除され、第二段階は1時限のみになります。
そのため通学であれば、費用はだいたい16万円台~。日数はやはりスケジュールによりますが、約16日~1か月間が平均的です。
合宿であれば費用はだいたい19万円台~。日数は最短で13泊14日です。「短期間でさっと取ってしまいたい」と言う方は、やはり合宿を選びます。

なお、タイプに関わらず、過去に免許取消処分を受けた方は、取消処分者講習の受講が必要となります。入校前に必要となりますので、該当の方は事前にお申し出下さいませ。

4.大型二輪免許の取得は合宿免許が一番安く済む!?

では、大型二輪免許を取得するうえで、どのスタイルが費用や取得までの日数を最低限にすることができるのでしょうか。

それは、個々人の所有免許や技能,そしてライフスタイルによるものの、「合宿が最も安く・早く取得できるルート」と言えます。

なぜなら前述の通り、通学はまず予約が必要となります。必ずしも所望の日程で予約が取れるとは限らず、翌週に回されてしまったり、期間が空いてしまうことで教習内容を忘れてしまったり…そういったお悩みの声をよく頂きます。
一方の合宿は、繰り返しになりますが一定期間寝泊りをして、みっちり教習を受けなくてはなりません。しかしながらこの期間は、教習所が組んだスケジュール下において、効率的に教習をこなしていくこととなります。
この期間に集中的に行えば、一つの教習から次の教習まで時間が空きすぎてしまって内容を忘れてしまった、なんて事態も防げます。
また、周囲はまた、周囲は大型二輪に憧れていたり、好きだったりする「同好の士」がほとんどでしょう。
そんな中での合宿は、捗ると思いませんか?

なお、費用面においても合宿のお得度はきわめて高いと言えます。
なぜなら通学と費用面でも安価な傾向にあることに加え、宿泊費や三食もコミコミ料金であるためです。また、上限はあるものの、当サイトでご紹介している合宿免許施設によるものの往復の交通費も支給しております。
さらに言うと安心の保証付き。これは、検定に落ちてしまってさらなる教習が必要になった場合、保証内であれば追加料金は不要というものです。大型自動二輪の取得に不安を抱えている方も、何かとご安心頂けるのではないでしょうか。

ただし、大型二輪免許は積雪の多い地域では、冬場に合宿を行っていない場合があります。
詳細は各自動車学校の詳細情報やコールセンターまでお問合せ下さい。

5.まとめ

大型二輪免許の取得についてご紹介いたしました!
大型二輪とは総排気量が400ccを超えるあるいは定格出力が20KWを超える二輪自動車と定義されていること。大型二輪を取得していれば原則としてあらゆる二輪車を運転できることはもちろん、小型特殊自動車にも対応できること。 法的には免許なしからいきなり大型二輪を取得しても問題はないこと。 どんな免許を所持しているかによって、取得までの費用や期間は変わってくることをお伝えできたでしょうか。 憧れの大型二輪生活のために。ご不明点やご不安点を抱えている方は、ぜひ一度お気軽にお問合せ下さい!

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